"Si"と"Shi"の違いについては以前の記事で取り上げましたが、 "S"と"TH"というのも私たち日本人が区別しづらい音のうちの1であると思います。
日本人が「Thank you very much」というと「Sank you bury much」に聞こえるといったステレオタイプというか馬鹿にした表現(?)がありますが、「Thank you」と言うシチュエーションでそれが本当に「Sank you」という意味に取られることはありえませんし、取られたとしたらそれは聞き手のパーソナリティーに問題があるはずですので、私個人としてはそこまで大きな問題だとは思っていないのですが、それでもしっかりと使い分けることができたら尚良いというのは確かなところです。
今回は本題に入る前に、"S"と"TH"にまつわる有名な動画がありますので、そちらを先に観てリラックスしてみてください。
ドイツで放送された、語学学校「Berlitz」のCMで、英語で話された部分は以下のような感じです。
Mayday. Mayday, Hello. Can you hear us? Can you hear us? Can you...over.
We're sinking. We are sinking!
Hallo? This is German coast guard.
We are sinking. We're sinking!
What are you thinking about?
と、まぁこれはもちろんジョークですが、ジョークにもなるくらい"S"と"TH"の音を区別するというのは、或いは、聞き分けるというのは難しかったりします。
以下で発音に関する2本の動画を紹介致しますので、ご覧になってみてください。
(当たり前ですが)どちらも言っていることは殆ど同じです。ポイントは以下の通り。
”S”(Sink)
”S”という音は、「"Si"と"Shi"の違い」でもお伝えしましたように、「蛇の音」です。音を強調して明確にするときのポイントは掠れ気味の「スー」という音をしばらく出してから単語全体を発音するということです。
「Sink」は「スーーーィンク」です。舌は「舌先を下の前歯の上の部分に軽くあてる、というか、置いておく感じ」或いは、「舌先を舌の前歯の裏に当てておく感じ」です。
"TH"(Think)
"TH"という音は、説明にもあったように舌を上の歯と下の歯で挟み込み、下の先と上の歯の間から摩擦音のような感じで空気を通らせて出します。正直、その状態ではっきりとした音を出すのは厳しいのですが、そもそも"TH"の音はそれ自体ハッキリと出すような音ではないタイプの音ですので心配は入りません。
たまに「挟む」 というポイントを意識しすぎるあまり、完全に舌を挟んで、というか寧ろ噛んで発音している人がいたりしますが、それはちょっとやり過ぎです。歯と舌の間の隙間からでる摩擦音ですので、ほんんど噛んだ状態ではあるのですが、それでもわずかな(空気を通すための)隙間は残しておいてください。
”S”と”TH”の音を動画で言われた通りにやってみて、音の違いが明確にわかるという人は少ないかもしれませんが、第一段階としてはとにかく言われたようにやってみるということが大切です。
発音の問題というのは言葉で表現するのが難しいのですが、いくつかある違いの中の1つとしては、どちらも掠れた音でありながらも「”S”」の音の方が音としてはわりとはっきりと発音されるということがあるかとおもいますので、聞き取りの際にはそのあたりに注意をしてみると良いかと思いますし、よくわからなくてもとりあえずルールにのっとって発音し続けていると、ある日突然その違いに気付いたりするものです(もうその時には、あなたにとってもそれを言葉で説明するのは難しくなっているのだと思いますが)。
※日本語的にはどちらも似た音ですし、「まぁ、違うと言えば違う音だよね」くらいのものなので、あまり意識せずに発音しがちですが、こちらが完璧に理解していなくても、(或いは、自分で発していて違いがわからなくても、)理屈として 口の動きや舌を置く場所を知っていて使い分けていれば、意外と向こう(英語圏の方々)は違いを認識してくれますので、「意識」するというのは大切なことだと思います。加えてその発音に対する意識は「リスニング力の向上」にも役立ちます。
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