書籍の紹介と使い方 (17) : New Headway

(ご要望が多かったため、追記あり)

基本情報

タイトル:New Headway
版元:Oxford University Press
ページ数:160ページ (Advanced)
価格(Amazon.co.jp):¥2,696 (Advanced)
オススメ度:★★★★★(マストアイテム)



概要

 ・当ブログいちおしのテキストです。TOEICで高得点や満点がとりたい人にも、実際に使える英語を身につけたい人にもオススメできます。
・スピーキング、リスニング、ライティング、リーディング全てを網羅しています。
・学習者の習熟度にあわせるかたちで「Elementary Level」「Beginners」「Pre-Intermediate」「Intermediate」「Upper-Intermediate」「Advanced」といった感じに分かれています。
 ・内容は全て英語で書かれていますが、ご自身のレベルにあった適切なものを選べば大きな問題はありません。
・基本的にメインとなるのはイギリス英語です。別売りのCDも基本的にはイギリス英語で話されています。
・収録されている英文のトピックの中にはたまに古めのものがあったりしますが、だからといってそこで使われている英語が役に立たないというわけでは全くありません。

構成

・イギリスのオックスフォード大学から出版されており、海外の語学学校やESL(特にわりとまともな学校)のクラスでよく使われます。文法事項の確認に特化した「English Grammar in Use」とは構成が異なり、各Unitは基本的に以下のようなコンテンツで順に構成されています。

「ウォーミングアップのためのクイズ」
「リーディングとスピーキング」
「文法事項」
「リスニングと語彙・スピーキング」
「クールダウンのためのリスニングクイズ」

収録内容

・12項目程度のUnit
・各Unitと関連したライティング課題(巻末にまとめて掲載)
・リスニング問題のスクリプト集(巻末にまとめて掲載)
・各Unitと関連した文法事項のまとめ(巻末にまとめて掲載)
・発音記号表(巻末)
・解答はついていません(解答無しでもやろうと思えばやれますが、大学側の正式な回答が知りたいという方やそんなところに労力を割きたくないという方は別売りのTeacher's Bookを買う必要があります)

特に「New Headwayに関すること

・とにかくこのNew Headwayシリーズを徹底的にやりきればTOEICがいかに簡単なことを求めているかがわかるはずですし、かなり余裕をもって990点をとることも可能です。既にTOEICのスコアが700から750点を超えているという方であればなおさらTOEIC用のテキストに固執することをやめてNew Headwayを使うことをオススメします(700点以下の方でもIntermediateやPre-Intermediateあたりのレベルであれば大丈夫だと思いますし、むしろ変に高得点を取る前に英語で英語を学ぶという癖はつけておいた方がよいと思います)。

・はなからTOEICというよりも実際に使える英語力を手に入れたいと思っていた方にも、「TOEICで900点超えてる(或いは、満点取得)らしいのに、意外と英語できないんですね」なんて言われてしまっている方にもオススメです。

・文法のみを扱った「English Grammar in Use」との比較はできませんが、個人的には両方ともマストアイテムです。英語のみでかかれた参考書に慣れていないという方には「English Grammar in Use」を先に手に入れることをおすすめしますが、本気で学びたいという気持ちが少しでもあるのなら、最終的には「New Headway」も手に入れて頂きたいです

・取り扱うトピックも興味深いものが多いです。宝くじでミリオネアになった人の話や海外セレブの話。AppleやStarbucks、ディズニーなどの大企業についての逸話から、英文法にまつわるジョーク、アート、有名アスリートの話、感動的なストーリー、深刻な社会問題まであらゆるジャンルのものを取り上げています。
・リスニング練習のためのCDは別売りでレベルによっては値段も安くないのですが、経済的に余裕があれば是非手に入れて頂きたいです(むやみに沢山のTOEIC向けテキストを買うよりは最終的な出費を抑えることができるかもしれません)

・AdvancedレベルのCDなどはTOEICのリスニングで満点がとれるという人でもきちんと理解するのは困難だと思いますし、Upper-Intermediate用のCDでもはじめのうちは辛く感じると思いますが、わからなくても無視して聴き続けていればリスニング力はメキメキ上達するはずです

・Intermediateレベル以下の音声教材は聴いたことがないのですが、リスニングに不安があり(TOEICのリスニングパートで300点以下など)、どうしても無理という方であれば、まずはCDを買わずにPre-IntermediateもしくはIntermediateレベルくらいのテキストのみを使い、リスニングはTOEIC向けのものを使用しても良いかもしれません。

基本的な使い方

・各Unitのページ数はおおよそ10ページ強です。海外の語学学校でも1日で1Unitを全て終わらせるということはほとんどないと思いますので、個人的に扱う場合にも3、4回の学習で1Unitを終わらせるくらいのペースでもいいかと思います。ただ別売りのCDは使わないという場合であれば、もしかしたら1日で終わらせることも可能かもしれません。

・別売りのCDを購入しないという場合であれば仕方ありませんが、基本的には始めから終わりまで全てやってください。スピーキングやライティングはTOEICとは関係がないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、関係はあります。寧ろ、関係ないわけがないです

記事が長くなりすぎることはできれば避けたいですので簡単な理由の説明にとどまりますが、スピーキングの練習で「話すということ」、ライティングの練習で「正しい英文を構成すること」に慣れてしまえば、話すようなスピードで英文を理解し読むことができるようになりますし、リスニングパートにおいてもスピーカーが話すであろうことを推測することができるようになります。日本語能力試験のリスニング問題を聴いたことがあるという方には理解して頂けると思いますが、母国語であれば全てを聴き取れていなくても、「なんとなくその方が自然だから」であるとか「この場面でそんな接続詞は使わないし、その動詞にそんな副詞をつけるなんて組み合わせとしてそもそも聴いたことがない」という理由でで意味や答えはわかってしまうものです
 
・すでに上で書いたように、基本的には全てやって頂きたいのですが、順序としては「巻末のUnit別文法事項を読む」「Unit本文に取り組む」「巻末のライティング課題に挑戦」という感じでよいかと思います。

・別売りの「Teacher's Book(先生用の本で、生徒が使うテキストの解答や教授法が書かれたもの)」を持っている場合にはしっかりと解答を確認し、巻末にあるゲームで遊んでみるのもよいかと思います。

・加えて、別売りのWorkbookにも取り組めばまさに鬼に金棒です。 語学学校ではWorkbookを宿題として使ったり、週末の小テストの一部として使ったりしています。内容は各Unitにそった確認問題やイディオムなどで、答えは巻末にしっかりと掲載されています

備考

・実際に取り組んでみたもののどうにも歯が立たないという方には先に「English Grammar in Use」で基礎から学びなおすことをオススメしますが、最終的には少しずつでも「New Headway」には戻ってこれますし、TOEICのその先を目指し始めた際にも使って頂けますので「無駄金を使ってしまった!」なんてことにはならないと思います。

・先にも書きましたように、テキストには問題の解答がついてきません。ですので、本気で取り組もうと思えば各レベルごとに

(学習者用の)テキスト
Teacher's Book(教授者用のテキストで、解答と解説付き)
リスニング用CD(スクリプトは学習者用テキストの巻末)
Workbook(解答は巻末についています)

以上のものが必要になり、1つのレベルごとに(レベルにもよりますが)10,000円近くが必要になります。しかし、むやみにTOEIC用(別の言い方ではTOEIC対策以外ではほとんど役に立たない)のテキストを買い込むよりもかえって安くなるかもしれませんし、わざわざ海外に行き、語学学校に入って楽に100万円は超えるであろう高額な滞在費と授業料を払わずして、少なくとも教材においては海外の語学学校と同じ環境を作れるという観点からみれば決して高くはないかと思います。

各レベルの参考(もちろん、それ以下のレベルでは扱えないというわけではありません。大きすぎる負荷をかけることなく学習できるであろうレベルをあくまでも参考程度に示しています)

・Advanced Level : TOEIC800-850点以上
・Upper-Intermediate Level : TOEIC650-750点以上
・Intermediate Level : TOEIC550-600点以上

私が個人的に持っているのは上記の3レベルのみで、それ以下は中身を見たことがありませんので、正確にはわかりません。参考得点はあくまでも学習開始時にそれくらいのレベルであれば無理なく学習を進めることができるであろうという得点であるというだけですので、AdvancedであればTOEFLやIELTS, ケンブリッジ大学の英語試験なんかにも有効ですし、「Upper-Intermediate」レベル1冊をしっかりやればTOEICで990点満点をとるくらいにはなれる情報量・知識を得ることができると思います。もちろん、知識や情報量だけで満点が取れるわけではないですが、情報処理の能力自体にも1冊終えた後には上がっているはずです。

左から順に「Pre-Intermediate」「Intermediate」「Upper-Intermediate」「Advanced」の学習者用テキストです。



左から順に「Pre-Intermediate」「Intermediate」「Upper-Intermediate」「Advanced」のTeacher's Book(教授者用のテキストで、解答と解説付き)です。



左から順に「Pre-Intermediate」「Intermediate」「Upper-Intermediate」「Advanced」のリスニング用CD(スクリプトは学習者用テキストの巻末)です。



左から順に「Pre-Intermediate」「Intermediate」「Upper-Intermediate」「Advanced」のWorkbook(解答は巻末についています)です。



※「New Headway」についての詳細なレビューはあまり多くありませんので、もし購入を前にもっと詳しく知りたいという方がいらっしゃればpostingspace@gmail.com宛に「わかりやすいタイトル」と共に(あやまって迷惑メールと判断し、削除してしまわないように)メールを送ってください。もしかしたら、即返信というわけにはいかないかもしれませんが、できる限りお答えしたいとは思っています。

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