TOEICの模試や本試験の進め方とポイント

TOEICについて

TOEIC が英語の能力をはかる試験であるのに間違いはありませんが、どちらかといえば「最低限の英語力を用いた”情報処理能力”をはかる試験」と言った方がよりふ さわしいと思います。ですので、いくら英語力が高くても、既定の時間内に全てを終わらすことができなければ高得点は取れません。

基本的な注意点

TOEICはご存じの通り、3択から4択のマーク方式ですので、あてずっぽうに答えても当たる可能性は十分にあります。ですので、制限時間内に必ず全てのマークを塗りつぶすようにしてください。これが最優先事項です(解ける問題をないがしろにすることをお勧めしているわけではありません)

全体の進め方

最初のリスニングパート(45分)については、パート1から順に解く以外ありませんが、リーディングパート(75分)ではどこから解いても問題はありません。ですが、私としては順番にパート5から解くことをオススメします。

パート別の考え方の簡単なまとめ

パート1とパート2ではサンプル問題中にパート5の問題を解くようにしますが、「できるだけ多くの問題を解く」よりも「後々2度手間にならないようにしっかり解く」ことを優先的に考えてください。

・パート1とパート2では、Aが読み上げられている間にはペンを解答用紙上の「A」の部分に置いておき、「B」の時にはその部分にペンを移し替える。 途中で正解だと思ったものがあればペンはそのままにしておき、全ての文章が読み上げられた段階でマークを入れます(答えがわかっても、途中で集中を切らすことなく最後まできちんと聴くことが大切です)

・パート3とパート4では問題文を先に読む程度にし、答えの部分は読みません。ただ、チラっとみて答え選択肢の中に「数字」や「月の名前」「人名」などが含まれる問題の場合にはそこに注意をしながら聞く。基本的に、問題を聴いている間は余計なことを考えず、聞き取ることだけに集中します。

・パート5でわからない問題にあたったら、さっさと諦めて次の問題へ進む。ただ、空欄で終わらせてしまわないように印くらいはつけておきます(塗りつぶしてしまってもかまいませんが)。

・パート6では空欄部分が含まれる1文を読んで解答。それでもわからなければ、英文自体の初めの1~2行目を読んでみる。それでもわからないければ、パート5と同じ対応を。

・パート7では、問題を先に全て読むことはせず英文を初めから丁寧に読む。問題を先にみたい場合は1問ずつ。それ以上は混乱をまねくだけ。

パート別の考え方の詳細

リスニングセクション

パート1(写真描写問題)


・写真の内容を目で確かめるのにそれほど時間はかかりませんので、パート1のディレクション(サンプル問題)が読み上げられているおよそ1分30秒の間に、パート5の文法問題をできるだけ多く解いてください。既に書きましたが、ポイントは「できるだけ多くの問題を解くこと」ではなく「2度手間にならないように、しっかり解くこと」です。10問も解ければ良い方です。5問でも上々です。

・サンプル問題の放送が終わり「Number 1...」と読み上げられた時点ですぐにパート1のページへ戻り、「Look at the picture marked number 1 in your test book」と読まれている間に1問目の写真を確認します。

・その後、A,B,C,Dと4つの文章が読み上げられるわけですが、Aが読み上げられている間にはペンを解答用紙上の「A」の部分に置いておきます。「B」の時にはその部分にペンを移し替えます。

・途中で正解だと思ったものがあれば、ペンはそのままにしておき、全ての文章が読み上げられた段階でマークを入れます

・それ以降は、同じ要領で進めますが、パート5を進めるのはサンプル問題が読み上げられている間だけにし、問題と問題の間の短い間で進めようとは基本的には思わないでください



具体例



このような写真であれば、すぐに注目できるところは・・・


主語として出てくるかもしれない単語

A woman (携帯で話している女性)
They (携帯で話している女性の後ろで話している1組の男女)
A man (画像の一番奥、窓の前に立って携帯で話している男性)

※通常は一番手前の女性が主語になり、一番後ろにいる男性が主語になることはほとんどないと思われます。特に一番奥にいる男性が携帯で話しているのかどうかは実際のところ明確ではないので、そういったことが聞かれる確率は限りなく低いです。

動詞として出てくるかもしれない単語

Talk ( 一番手前の女性が携帯を使っているため)
Discuss (女性の後ろにいる1組の男女が話し合っているように見えるため)
Use (1組の男女のうちの男性がパソコンを使っているため)
Stand (一番奥にいる男性が窓際に立っているため)
Work (オフィス内の写真であり、おそらくみんな働いているため)

名詞として出てくるかもしれない単語

A cellphone (一番手前の女性が携帯で話しているため)
A computer (女性の後ろの男性がコンピューターを使っているため)
A display (コンピューターのディスプレイが2台ほど写っているため)
A window (一番奥の男性が窓際に立っているため)

答えとして考えられる文章

A woman is talking on the (cell)phone.

They are talking (discussing) each other.

A man is working on the computer.

A man is standing by the window.

※もちろん、他にも考えられ得る英文はありますが、たとえば「People are working in a office」であるとか「The woman has blond hair」などいった文章が出てくることはないと思います。




パート2(応答問題)


・パート1と同様に初めにサンプル問題の流される時間が約1分ほどありますので、その間にパート5の続きに取り掛かってください

・サンプル問題の最後に「Now let us begin with question number 11」と読み上げられますので、その時点でパート2に戻って、いつ問題が読み上げられても良いように用意してください。

・パート2ではA,B,Cという3つの文章が読み上げられますので、パート1の時と同じ手順でAが読み上げられている間にはペンを解答用紙上の「A」の部分に置き、「B」の時にはその部分にペンを移し替えます。

・同様に、途中で正解だと思ったものがあればペンはそのままにしておき、全ての文章が読み上げられた段階でマークを入れます。

・最後まで聞いても答えに確信が持てなかった時には、もう仕方がありませんので消去法で、とにかくマークは入れてください

・それ以降は、同じ要領で進めますが、パート5を進めるのはサンプル問題が読み上げられている間だけにし、問題と問題の間の短い間で進めようとは基本的には思わないでください


パート3(会話問題)


・パート3にもこれまでと同様に問題の説明がありますが、その時間は約30秒ととても短いですし、パート3では別にやることがあるのでパート5を進めることはやめてください

・ディレクションが読み上げられている約30秒の間には、放送が終わった後に問われる問題を先に読んでおきます

・その際、実際に読む部分は「設問」のみでA,B,C,Dといった「その質問に対する答え」は読みません。もちろん時間は余れば読んでも構いませんが、全てを読んで覚えるのは到底無理な話ですので、そんなことをするくらいなら、確実に問われること3つを覚えてしまったほうがはるかに良いです。

・設問を読んで少しでも時間があり、かつ設問やそれに対する返答のなかに「数字」または「人名」がある場合には、必ずその数字を頭の片隅に入れておくようにします

What will happen at 7:00 P.M.? → 7時
Who is Judy Smith? → Judy Smith

・さらに答えとなる返答が日時や期間、時間、人の名前を選ぶようなものの場合には、特にそこに注意して問題文を聞きとります

How long will the project last?

(A) For one week
(B) Fro two weeks
(C) Fro one month
(D) Fro two months

→1週間?2週間?1ヶ月?2ヵ月?


パート4(説明文問題)


・パート3と同様に、ディレクションが読み上げられている約30秒の間には、放送が終わった後に問われる問題を先に読んでおきます。

・要領はパート3と全く同じです。


リーディングセクション


パート5(短文穴埋め問題)


・パート1のサンプル問題を聞いている間に何問かは既に解いてあると思いますので、それらは無視して次の問題から進めてください。先に解いた問題を心おきなく無視できるように、パート1のサンプル問題中には、「できるだけ多くの問題を解く」よりも「後々2度手間にならないようにしっかり解く」ということをしたほうが良いです。

・所謂「正攻法」として、先に答えの部分を読んでから本文を読むという方法がありますが、ある程度のスピードで読める人ならば、(無駄な混乱を避けるためにも)さっさと問題を読んで、その上で選択肢から答えを選ぶという方法をオススメします。

・パート5には「選択肢の単語がわからない場合、理屈としてなんとなくでも絶対に解けない」という問題がありますので、TOEICで満点近くがとれるようになってくると最終的なネックになってくるのがパート5です。それだけ「どうにもならない」問題というのは存在しますので、あまり1つの問題に執着しすぎることなく、適当に(といっても、消去法などできる限りのことはしてから)マークをつけて次の問題に進んでください。


パート6(長文穴埋め問題)


・できることなら全部読んでしまうのが手っ取り早いですし、正確です。

・それでは時間が足りなくなるという場合には、まずはじめに、空欄の部分を含む1文を読み、それからその設問。というのを書く設問で繰り返し、わからない部分があれば英文自体の最初の1~2行目を読み、その英文が何の目的で書かれたものかを把握します。





手順の例



※画像右下にある手順を参考にしてみてください




パート7(読解問題)


・多くの人が問題文から先に読み、その答えとなる部分を本文中から探し出すということをしていると思いますし、それが間違いであるとはいいませんが、私としては先に本文すべてを読んでしまうことをオススメします。英文を読むのにすごく時間がかかるという人以外には特に強くすすめます。

問題から先に読むとその答えを探すのに必死になり過ぎてしまい、それが英文をおろそかに読むということにつながります。結果、何が何だかわからなくなり、答えをさがすのにかなりの時間を費やしたのにもかかわらず、また初めから読みなおさなければならないという状況に陥りがちです。

・どうしても先に問題が読みたくて仕方がない人は、最初の1問の問題を読むだけに留めてください。1問目の問題を読んだら英文を初めから読み始め、該当する部分に達したら答えを選びます。そこから2問目の問題をサラっと読み、英文をまた続きから読み始めます。

・ダブルパッセージの問題でも解き方は同じです。基本的には英文を初めから読み、問題文を読むのなら1つずつ読みます。



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